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(まじか!)レモン由来のエリオシトリンはヒトの肝がん細胞のアポトーシスを誘導し細胞周期を停止させ、増殖を抑制する

Eriocitrin from lemon suppresses the proliferation of human hepatocellular carcinoma cells through inducing apoptosis and arresting cell cycle.
161108Eriocitrin.png 
以前も紹介したエリオシトリン(Eriocitrin)について、最近新しい論文が出ました。

中国の研究機関による報告です。
最初見たとき、
あれ?同じ肝がん細胞HepG2にエリオシトリンを投与したけれど、細胞増殖抑制作用なんてなかったぞ?この著者たちは何を言っているんだ?
と少し驚きました。

Cancer Chemother Pharmacolというあまり聞き慣れない雑誌でしたが、IFは2.8とあったのでそれなりにちゃんとした雑誌なのでしょう。
Springerです1978年から続いているという歴史のある雑誌のようです。

三重大学の契約ではダウンロードできなかったのですが、ResearchGateからなんとか全文を入手できました。
まずはFigureをよく見てと・・・、たくさんWestern blotしているなぁ。。。

あれ?さっそくWestern Blotにコピペらしいものを発見。
Figure 3aの右側のbeta actinのバンドをひっくり返して、Figure 3dの左側のbeta actinに流用していますね。
beta actinなどhouse keeping proteinのすぐにできるwestern blotをコピペするようでは、論文全体の信頼度が下がってしまいます。
あとFigure 2bのCyclin Aは上下逆のような気が・・・。
bandの定量化もnormalize用のbeta actinをせずに対象バンドが増えた・減ったと結論づけているのもおかしい。

他にもいろいろありそうな論文ですが、こんなことに時間を割くのは虚しいので、おしまいにします。
本当はこのくだりをここで図示したいのですが、論文の著作権などにひっかかると嫌なので、興味のある方は個人的にご連絡ください。

なお私達の系では(リンク先論文のFigure 3、10 microM投与なのでこの論文より少し濃度が低いですが)、エリオシトリンを3日間投与しても細胞増殖には影響なかったのです。
まあ、彼らのように50 microM投与にすれば影響は出るかもしれませんね。

ただ気に入らないのは・・・
私達のグループの論文が引用されてはいるのですが、その内容が間違えている!
Hiramitsu et  al. [15] found that eriocitrin  suppressed  exercise-induced  oxidative  damage  in rat liver as well.
なんだよ、これ。
俺ら、ラットのデータなんて、運動による酸化ダメージなんて研究してねーぞ。

んがっとっと。

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