新しい発想のゼブラフィッシュを用いた癌研究
- 2022/01/07
- 00:00
eLifeでeditorやっていた論文が発表されました。
注)自分の研究成果ではない。
この研究、友人(Joji Nakayama)の仕事なのですが、何がすごいって、
全く新しい発想のゼブラフィッシュを用いた抗がん剤スクリーニング
なのです!!
今までのゼブラフィッシュを用いた抗がん剤スクリーニングは
- 遺伝子組換(tp53やcmycをつぶす)でゼブラフィッシュに発がんさせる
- ヒトやマウス由来の癌細胞をゼブラフィッシュに移植する <=これ自分得意♪
がメインだったのですが
なんと彼は
ゼブラフィッシュ受精卵の初期発生のgastrulation(原腸形成)段階で必要な上皮間葉転換(EMT: Epithelial Mesenchymal Transition)が、癌の遠隔転移にも起こっていることに注目し、
受精後12時間までの発生を遅らせることができる化合物は遠隔転移を抑制できる
という仮説を立てたのです。
天才か!!
eLifeでの発表の後、彼のプロトコールはBioprotocolでも紹介され、彼のデザインが表紙になりました!!
長年、ゼブラフィッシュを用いた癌研究をしてきましたが、なんでこの発想に至らなかったのかな~~