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工学系研究科 三宅先生グループとの共同研究です。
本研究では、UVC照射量を徐々に増やしながらゼブラフィッシュ初期胚の形態変化を評価したところ、1㎠あたりの積算光量が4.5mJ/cm2以下の場合にすべての胚が生存しました。また、7.5mJ/cm2以上の照度量では、奇形率が著しく増加し、生存率も0~37%まで低下しました。さらに、ゼブラフィッシュ胚の生体防御システムを解明するため、次世代シーケンサーによるトランスクリプトーム解析(RNA-seq)を行いました。それにより、UVC照射で生じるDNA損傷に対して、ゼブラフィッシュ胚は、まずDNAの損傷修復に重要な役割を持つp53シグナルの伝達経路を速やかに活性化させ、3日後に免疫応答のプロセスに関わるSTATシグナル伝達経路の活性化に切り替えて、DNA修復や細胞増殖などに応答するという分子メカニズムを明らかにしました。この研究成果は、ヒトに対するUVCの応用における安全性について科学的な根拠を提供すると同時に、コロナウイルスを含むウイルスや細菌の殺菌、水産物養殖時の消毒など、幅広い領域でのUVCの活用に役立つ可能性があります。
共同研究の皆様、ご協力ありがとうございました!!