薬理学会年会は長崎で行われたため、その移動中に久しぶりに本を読みました(その時間、本当は論文を書くべきなのですが)。
適当に空港のキオスクで手に取って買った本ですが、面白くて一気に読んでしまいました。
巨大カメラフィルムメーカーのコダック社をモデルにした小説です。
そういや、最近コダック見ないなあ、と思っていたら2012年に倒産していたのですね。
昭和のころは超巨大企業だったコダックが、デジタルカメラがはやり、そして携帯(スマホ)にカメラが搭載されるようになり、フィルムばっかり作っていたこの巨大企業が(いろいろ細かい対策を打ちながらも結局)滅びていく様を社員の1人の目から描いた内容でした。
技術の革新がどんどん早くなっていく現在(ムーアの法則)、コダックのような「象」企業が死んで、「象の墓場」だらけになっていくというテーマです。
あとがきの方(名前は忘れた)が、新聞やテレビ業界もそろそろ「象の墓場」入りする、と書いていたのが興味深く、最近のニュースでもシャープだの東芝の身売りは、まさに「象の墓場」入りだといえると感慨深く思いました。大企業に入っても人生安泰じゃない時代が来たんだな、とちょっとワクワクしてきますね。
まあ、自分の研究している領域は将来「死んだ」としても墓すらなさそうですけどね。あはは。