アポロ月計画による心血管障害の増加
- 2016/11/25
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前回に引き続き、ゼブラフィッシュとは関係ない医学論文のご紹介。
「50年前にアポロは本当に月に行ったのか?」というアポロ計画陰謀論の話ではなく、宇宙飛行士における心血管障害の発症を調べたもの。
私もpublishしたことのあるScientific Reportsから。
Apollo Lunar Astronauts Show Higher Cardiovascular Disease Mortality: Possible Deep Space Radiation Effects on the Vascular Endothelium
「50年前にアポロは本当に月に行ったのか?」というアポロ計画陰謀論の話ではなく、宇宙飛行士における心血管障害の発症を調べたもの。
1. 訓練は受けたけど実際には宇宙に行かなかった人たち(かわいそー)
2. 地球周囲の宇宙に行った人たち
3. 月まで行った人たち
の3グループにおける心血管障害の発症頻度を調べたところ、1と2の間では差がなかったのですが、3(月まで行った人たち)は4-5倍の発症率だったとのこと。
怖いですねー。
でもまあ、科学の進歩というのは本質的にこういう犠牲の上に成り立つものなのでしょう。
「けがを恐れる人は大工にはなれない。失敗をこわがる人は科学者にはなれない。科学もやはり頭の悪い命知らずの死骸の山の上に築かれた殿堂であり、血の川のほとりに咲いた花園である。」 寺田寅彦『科学者とあたま』
っていうやつですな。